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フレッチャー・シブソープ

bunkamura ギャラリー フレッチャー・シブソープ展(2012/5/30~6/10)



Fletcher Sibthorp、1967年イギリス生まれ。フラメンコダンサーを主なモチーフとする絵画制作や、舞台芸術など。日本でも個展が数回開かれているほか、絵画公募展の特別審査員を務めたりしている。

さて、20点ほど彼の作品を見ることができました。今回の展示は”躍動と静謐の人間美”とのうたい文句。

◇ ◇ ◇
様々なポーズのダンサーが、力強いステップで、ドレスをひらめかせている。画面から飛び出る勢いだ。なるほど、躍動の人間美か。でもダンサーを描いたほとんどの作品はミルククラウンのストロボ写真を想起させた。せっかく絵画なのだから、単に誇張された躍動感以上のものが欲しい。やや乱暴な印象も受ける。

女性の踊るフラメンコは、派手なドレスの動きがもちろん魅力のひとつだ。その動きはドレスの下のヒールを履いた足が作りだす。観念論でも、実際問題でも、ダンサーの足は重要で、かつ美しい。けれど作品にはあまり足へのこだわりが感じられない。書き込みの丁寧さが足りない気がする。

鬼才か、もちろんそれには異議なしなのだが。

こうやって欲張った考えを広げていたら、ある一枚で思考が止まった。この絵は凄い。
やはりダンサーを描いたものだが、他とは存在感が一段違う。あまり大胆なポーズではない。控えめに足を上げ、手を腰にあてていたと思う。ドレスは広がらずに床まで届いている。顔半分は影で、室内を思わせる暗めの背景。対照的に輝く金の羽織布と白い胸元。すべてとても自然で、時間が自ら進んで止まったようにすら感じられる。絵画それ自身は自己主張をしていないが、それによりモチーフがひときわ強くオーラを放っている。
なんて静かな、それでいて生きている絵!

そうだ、これがシブソープの魅力だ。彼は躍動を描いているのではない。いや、本人の意図は知らないが。シブソープは、躍動の中にある一瞬の静謐さを捉えたときにこそ、真に力のある絵を描いている。
「動」にみせかけて、そこに孕まれた「静」を描く画家ではないか。

半裸の女性の肖像や、羽をつけた少女の絵はストレートに「静」を描いている。それらの作品も素晴らしかったが、踊りの中に突如あらわれた「静」はいまもこころを惹きつけてやまない。
◇ ◇ ◇


最後までお付き合い頂きありがとうございます。
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参考リンク
J.spanish.com(バックナンバーのインタビューVol2)
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